ボートの選び方・購入方法   
平成20年7月6日作成
平成21年11月14日更新

マリーナ保管のメリット・デメリット

 マリーナ保管とカートップ、トレーラブルとの決定的な違いは車が不要だということです。もちろん車でマリーナに通う人がほとんどですが、屋根に積んだり、トレーラーを牽引するわけではないので必要条件では無いと言うことです。不況になってくると車の所有自体がとても贅沢ですね。車の車両代、ガソリン代や、税金、車検、高速代金やさらには事故のリスクを考えると、電車やバスなどの公共機関を使うのも良いかもしれません。首都圏で車を持つくらいなら毎回タクシーに乗るほうがきっと安いと思います。ちょっと話題がそれましたが実際に電車やバスでマリーナに通っている人を何人も知っていますし、バイクなんかもうまく使えば安いかもしれません。ハーレーダビッドソンでマリーナに来る夫婦がいてうらやましいと思いました。カッコイイですね。

 マリーナで私が感じる一番のメリットは堂々とボートで遊べる事です。カートップやトレーラブルはどうしても他の人に出航場所を知られたく無いと言う心理が働く事が多く、それは何故かと考えたら、やはり出航場所が公認では無く、黙認であることが多い事です。ブログやホームページで出航場所を公開出来ているものがどれだけあるでしょう?出航場所も公開出来ないで、こんな大物を釣りましたと言っても所詮はアウトサイダーです。だからこそ私のところに出航場所の問い合わせが多いと思うのですが、そこが一番の問題だと思っています。公開しても良い場所だけは記載していても実際には秘密の場所から出航して釣りをしているケースがとても多いように感じます。またそうしないとたくさんの人がその出航場所に殺到して、近隣住民から苦情が出たり、マナーをわきまえない人が出たり、挙句の果てに事故を起こすケースが増えるからでしょう。漁港がどんどん閉鎖されてミニボートが締め出されているのが実態ではないでしょうか。

 また本当のメリットは安全です。マリーナには必ずレスキュー艇があります。当たり前ですが必ず出航届けを出しますし、何かあればマリーナがレスキュー艇を出して救助してくれたり、関係各所に連絡してくれます。地震があったり天候が急変する時は連絡をくれたりもします。エンジンやボートの整備や修理も出来ます。いろいろな相談が出来るのが最大のメリットです。

 家族連れや友達連れならマリーナは本当にお勧めです。ボートに乗っていてもトイレも無いような砂浜ではどうするのでしょう?女性や子供は二度とボート釣りについて来ません。大勢が集まるとこのような問題がたくさん出てきます。通常マリーナにはシャワーもありますし、トイレも男女別に完備されています。もちろんバーベキュースペースだってあります。ちなみに砂浜に車で乗り込んでのバーベキューは条例で禁止されてるところが多いので注意してください。

 船体やエンジンの水洗いも水道水が使えますし、ブルーマリン城ヶ島では氷がたくさんあって自由に使えます。これは釣りキチにはうれしいサービスですよね。氷も買えば結構高いですし、自宅で作っても釣りをして帰る頃には結構溶けてしまっています。釣りの情報もいろいろ教えてもらえますし、とにかくサービス満点です。

 デメリットは何と言ってもコストですね。年会費以外に保証金が必要なマリーナがほとんどです。解約時には返金されますが初期費用がかかるのが痛いところです。また船台も必要ですし、船台のメンテナンスも必要です。船台も車検が無いのにトレーラーと同じくらい高価です。このあたりが敬遠される理由ではないでしょうか。ただトレーラブルボートやカートップボートをビジターとして受け入れしてくれるマリーナもありますのでお金はかかりますが安全に楽しむことも可能です。

 その他にマリーナ独自のルールがありますので、当たり前ですがルールが守れない人はもちろん駄目です。訳のわからないローカルルールではありません。ローカルルールも県の条例で法律で決められたものから、勝手に地元の人がローカルルールといって伝わっているのものなど様々です。マリーナのルールは常識的なものばかりですが、そもそもカートップやトレーラブルは他人に制約を受けることが少ないのでマリーナのルールは窮屈かもしれません。実際に夜間航行も装備していないのに夜明け前に出航している無法なボートを多数見てきました。このようなことはマリーナでは許されないのは当然です。

 出航時間、帰港時間に制限があるのもある意味でデメリットと言われるかもしれません。特に釣り人なら誰もが日の出直後の朝まずめを狙いたいところですが、ほとんどのマリーナが朝は8時半からというように開場時間の制約があります。以前利用していた城ヶ島マリーナは土日祝日は1時間早めて7時半からマリーナを開けてくれていました。ブルーマリン城ヶ島も同様ですが、事前に話をしておけば朝4時にでも出航させてもらえるようです。もちろん夜間航行の装備が必要なのはマリーナの規則以前に法律で決まっています。

 マリーナにもボートの保管方法が2種類あって陸上保管と海上係留保管があります。陸上保管はボートの上下架料金がかかりますが、ボートが傷みません。海上係留保管はそのまま海に出られるので一見楽なように見えますが、あっという間に船体や船外機が傷みます。毎年必ず陸揚げして船底塗装や船外機のメンテナンスが必要ですがこれがかなりのコストが掛かるのがわからないで契約してしまうケースが多いようです。大型艇に乗っているというと聞こえはいいのですが海上係留のボートはかなり痛んでいるのが多く、維持費が掛かる為に船体の価格相場は激安です。23フィート程度までは陸上保管がお勧めです。ブルーマリン城ヶ島の料金表をみると一見かなり高いのですが、横浜の有名マリーナの海上係留からの移籍艇が多いのは納得できます。全てのボートが陸置きですので本当に綺麗です。