ボートトレーラー入門 第4回
|
|
![]() |
![]() |
トレーラーの選択 先ほどからトレーラーの種類や購入方法を書いてきましたが、それでは購入に当たってはどんな注意が必要でしょうか。あたりまえですがトレーラーを買うのが最終目的の人はまずいないと思います。トレーラーは物を運ぶ道具ですから、何を運ぶかによってどんなトレーラーが適しているのか選択しなくてはいけません。ボートを運ぶのか、バイクを運ぶのか、バギー車を運ぶのか、それによって購入するトレーラーが違ってきます。メーカーによってはアタッチメント式でボート用、バイク用と付け替えて使用できるのもあるようです。ただし法律上はボートトレーラーとして88ナンバー登録したものはボートの積載しか出来ません。ここではもちろんボート用を中心に話をしますが、ジェットスキー用とミニボート用は微妙に違っているので、購入するときにはどちらにするのか、兼用するのかの選択が必要です。一般的にジェットスキー用はトレーラーの幅が狭く、車軸も前よりに取り付けられています。これはボートより小さなジェットスキーにとっては、ベストな位置なんですが、ボートを載せるとなると左右の三角表示板がボートにぶつかったり、車軸が前の為にボートを載せたときに船外機側に重心が傾きすぎて、後ろにひっくり返る事があります。特に軽ナンバートレーラーのように全長に厳しい制限のあるサイズの場合は要注意です。基本的にはトレーラーは全長で分類されている事が多い様です。たとえば12フィート用とか17フィート用などと、ほとんどのメーカーがボートの長さでトレーラーを選択できるように分類しているようですので、自分のボートの全長、全幅、重量から各メーカーのトレーラーを検討すると良いと思います。 ベストな選択は専用トレーラー それでは何が一番いいのでしょうか。答えは簡単です。そのボート専用に作られたトレーラーが一番正解です。しかし専用トレーラーと言われるのはヤマハのマルチパーパスボートのSRV17TR用、ジェットボートのエキサイターEX1430TR用、そしてマリンモーターのNEOシリーズくらいではないでしょうか。特にマリンモーターはトレーラーに積み込むことを考えて、ハルに補強を入れたりとボートの設計段階からトレーラブルを前提としたボートを作っています。海外製のバスボートなどもほとんどが専用トレーラー付きのようです。専用トレーラーはボートに無理をかけず、傷めないのは勿論ですが、取り扱いも簡単でバンクの位置や幅、ランプの位置などとにかくピッタリとマッチングしています。ですからだれでも簡単にボートをトレーラーのセンターに載せる事が出来ますし、ボート、トレーラーどちらにとっても負担がかからずベストマッチだと思います。 |
|
![]() |
![]() |
|
|
![]() |
![]() |
各トレーラーメーカーの紹介 ㈲不二ロイヤルテクノ (ショアランダー) ミッドウエスト製ショアランダートレーラーの日本総輸入代理店です。北海道では一番シェアを持っているのではないでしょうか。ショアランダーはオプションが豊富で世界的にもシェアは高く世界標準と言われています。またフレームは独特のU字構造をしておりボートの積載位置が低い為に海への上げ下ろしがとても楽に行えます。そして個人的には一番デザインの美しいトレーラだと思っています。とにかくカッコよくて絵になります。また必需品であるジャッキやウインチも標準装備されているので安心できます。また他メーカーが運搬コストを考えてボルト・ナットによる組み立て式を採用しているのに、ショアランダーは溶接が基本で本当にガッチリしている感じがします。また溶接後にどぶ付けでメッキされているので、錆にも強いというのが安心です。 ㈱サン自動車工業 4WDファンにはおなじみのトレーラーメーカーです。どちらかと言うと小型のものが多い感じですが、荷台が傾斜してスノーモービルなどを積み込みしやすくしたものやFRPのカウルを装備した近未来的なトレーラーまでバラエティに富んでいます。 ㈱マリンモーター 先ほども紹介しましたが、愛媛のマリンモーターという会社がボートと一緒にトレーラーの開発・製作をしています。専用トレーラーというボートには最適のトレーラーを製作しています。また専用トレーラーと書きましたが、もちろん他メーカーのボートを積んでも全く問題はなく、ボートメーカーが作ったボートトレーラーですので安心かもしれません。 その他にも大手メーカーのEZローダーやロードライト、チャンピオンなど海外ブランドがたくさんあり、国産では小塚自動車のエスコやソレックス等も有名です。 次回は実践的な連結検討書についてとキットのトレーラーを自分で組み立てる話をする予定です。特に連結検討書は牽引車を買い換えたときにはすべて計算して再提出が必要になるのでトレーラーを牽引している方は勉強しておくべきだと思います。 コラム 「トオルのトレーラブルボーティング日記」 いつもはホームページの紹介をしているのですが、今回はカートップについて少し書かせていただこうと思います。第二回・第三回のトレーラー入門で法律の話をしてきましたが、実はカートップにも同じような法律が適用されます。どのボート雑誌もカートップを取り扱っているものの、法律について詳しく書かれたものは見当たりません。通常カートップは車の屋根に取り付けたキャリアにボートを積んで走る事が多いと思います。このキャリアはトレーラーでいうヒッチメンバーと同じような指定部品扱いで特別な改造申請や車検証の記載変更は不要となっています。積載重量についてはその車の積載量をオーバーしなければ問題ありませんが、普通はその前にキャリアが壊れてしまうのでキャリアの過重制限のほうが重要かもしれません。有名メーカーのキャリアはどれも50kg程度以上の過重にも耐えられるように出来ているようですが、私が以前乗っていた車は屋根が弱く、キャリアメーカーからの指定過重は35kgとなっていました。35kgというと、積載できるボートはかなり限られてしまいます。また重量以外の長さや幅についての法律も当然カートップにも適用されます。長さについての飛び出しはトレーラーと同様に車両の10%までが認められています。ですから長さのあるボートやカヌー・カヤックなどは軽くても注意が必要です。4.5mの乗用車には4.95mまでのカヤックしか積載できません。また軽自動車に積み込めるボートも旧規格の軽自動車なら3.3の全長に対し、積めるボートは3.63mまで、新規格で3.4mの軽自動車なら3.74mまでしか積載が認められておりません。ミニボートといわれるもののなかには3.8mを超えるものも有りますので注意が必要です。また幅についてもトレーラーと同様に厳しい規則があって積載物は車両の幅を超えてはいけません。普通車はあまり問題にならないかもしれませんが、これも軽自動車ですと旧規格なら1.4mまでで、新規格でも1.48mまでしか積載できないので、幅広のアルミボートやFRPボート、そして膨らませた状態のインフレータブルボート等は法令違反になる可能性があります。そして一番大事なことは荷崩れを起こさないように前後左右をしっかり固定する事です。ボートを屋根から落とすと、かなりの大惨事になりかねません。走行中に車を停車させてもう一度、ボートの固定状況やロープのしまり具合を確認するくらいは必ずやったほうが良いと思います。私も以前はカートッパーでしたので・・・・。 |
※当時の連載記事です。現在の法律と違っている部分がありますのでご注意下さい。
また著作権は塩入徹が所有しています。文章及び画像等の無断使用はご遠慮下さい。